EAPが必要とされる背景
1.「人」は最も重要な経営資源
企業の経営活動を構成するのは『人、物、金、情報』と言われます。
特に「企業は人なり」と言われるように、物、金、情報を使って利益を生み出すのは『人』の力であり、『人』こそが企業経営の最も重要な資源であるといえるでしょう。
ですから、従業員が健康でイキイキと働けるように配慮し、最大のパフォーマンスを発揮できるように対策をすることは、最も重要な経営資源を守るために必要な、経営活動の一環なのです。
2.企業のリスクマネジメントとして
従業員のメンタルヘルス対策は企業のリスクマネジメントとしても重要であると言われています。その理由として、次のような社会的背景があります。
a) 精神疾患や自殺の増加
近年、中年男性を中心とする精神疾患や自殺者が増加しています。
自殺者に関してはバブル経済が崩壊した1998年から急激に増加し、それ以降12年連続で3万人を超えています。
また、労働者健康状況調査(厚生労働省)によると「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスがある」労働者の割合は約6割にも達しています。
b) 司法判断、労災認定基準の変化
近年、司法において従業員の自殺の業務起因性が認められるようになり、企業の安全配慮義務違反が問われ、多額の損害賠償の支払いを命じられるケースが増えています。
また、司法判断の変化に合わせて、厚生労働省が自殺を含めた精神疾患の労災認定基準を緩和し、これにより自殺や精神疾患の労災申請件数・認定件数が大幅に増えています。
C) ミスやトラブルの増加、休職者や退職者の増加、対外的信用の低下
メンタルヘルス不調の従業員が増えると、ミスやトラブルが増え、企業としてのパフォーマンスが低下するどころか、対外的信用まで失いかねません。
また休職者や退職者の増加により、人件費の増加、求人費の増加など企業の財務状況にも負担を増やすこととなります。
3.“組織の効率化”と“個人の意欲”の両立が必要に
「失われた15年」にピリオドを打ち、日本企業は競争力を回復しようと効率化をすすめましたが、その負の遺産として「仕事の高密度化」が従業員の負担を重くしています。
誰もがみな自分のことでいっぱいいっぱいになり、疲弊し、孤立化・・・職場には乾いたムードが漂うようになりました。
組織の効率化の陰で、個人の意欲が失われようとしています。
この事態を打開するために今、企業には、“組織の効率化”と“個人の意欲”、その両者を両立させるための対策が必要とされているのです。